最近ちょっとお話する機会があったので、
ついでに語ることにします。
それは「岡崎市立中央図書館事件」についてです。
この事件はこの業界のことがどれだけ理解されにくいのかということと、
ITゼネコンの闇を改めて思い知るような出来事でした。
まずはITゼネコンの闇から話しましょうか。
はっきり言って、
この一点だけでMDISを嫌いになるには十分な理由だと思っています。
MDISと仕事をしろと言われたら、
自分は辞表の提出も辞さないかもしれません。(けっこう本気で)
中には良い人も居るかもしれませんが、
少なくともこんな判断を下すトップはちょっと…となるわけです。
…まあ、部外者がこれ以上語ることでも無いのでここで止めときます。
これが本題じゃないですしね。
問題はもう一方、
一般に理解が得られていないっていうことの方です。
※ちなみにハッカーじゃなくてプログラマーではと思った方は、
ハッカーの正しい意味を調べてみてください。
ここでは尊敬の意を持ってハッカーという言葉を使わせていただきます。
さてさて、もうここ最近ではインターネットは当たり前になりつつありますが、
大事な前提がすっぽ抜けしたまま普及しているような気がします。
それは、現実世界と電脳世界の規律の違いです。
ずいぶん近づいてはきていますが、
根本的なところが違ったままなんじゃないでしょうか。
う~ん、
何が違うのかは上手く言葉にできないのですが、
現実と電脳で常識を切り替えているので、
何かしらは違うはずです。
とりあえず一番摩擦が大きいのはセキュリティです。
一般人が考えるセキュリティ対策を聞くと、
鍵を掛けたように見えて実は掛けてないような感じです。
セキュリティ対策のふりをしているだけなんです。
それを専門家が指摘しても、
その概念を理解してもらうことができません。
なぜか、「ちゃんと対策している」と返されてしまいます。
ありませんか?
添付ファイルのパスワードはメールを分けて通知しようとか、
長くて複雑なログインパスワードを頻繁に変更しろだとか、
要件の時点でSQLインジェクションが起こる実装になっているとか、
精神論だけで一切セキュリティ事故の防止システムを提案しないとか、
事故の連絡先を決めてもぶっつけ本番で上手く機能することを期待されているとか、
…ああ、数え上げたら気が滅入ってきた。(全部実話)
このため一部のハッカーは、
それを理解してもらうために*証明*するのです。
これは電脳世界では当たり前の話です。
(まぁ個人によってその感情は大きく異なるでしょうが…)
そうすると一般の方は突然青ざめ、
証明したハッカーを糾弾します。
違うんです!
現実世界では、
何か悪い人が新しい悪事を働くと、
それを防ぐ仕組みを考え出します。
大抵は後手であることが多いです。
電脳世界では、
(できる限り)本当に悪事が働かれる前にその欠点を指摘し、
防止しようとするのが当たり前なんです。
そうやって電脳世界を強固にしているんです。
電脳世界で鍵が壊れていたら、
堂々とドアを開けてそれを注意するんです。
そして、玄関先に機密情報があるため中の住人は青ざめているんです。
現実世界じゃやらないことでも、
電脳世界ではそれと同じことをする人が大半なんです。
(ああ…DMZ内に重要そうな情報が~)
そう、電脳世界では欠点を*証明*で指摘することは日常茶飯事なんです。
そりゃ中には法律に触れるものもあります。
ただ、その方々は法律によって罰される事自体に不満はないんです。
それでもなお電脳世界を理解してくれない一般人が不満なんです。
先の事件の話で言えば、
提供されたものを想定外の方法で活用するのは、
電脳世界では素晴らしいことであり、
新しい創造として賞賛されるべきことです。
そうやって電脳世界は広がっていくんです。
図書館側やMDISに対して本当に怒りたいのはそこなんです。
…なんて、こう思っているのは自分だけかな?
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