2019年2月28日木曜日

仙境異聞の現代語訳を読んでみた

もうとっくの昔にブームは過ぎ去ってしまっていますが、
仙境異聞の現代語訳が出ていたので読んでみることにしました。

全体的な感想としましては、
気になるところはあっても真実味には欠けました。
科学的な矛盾というよりも、天狗の行動に一貫性が感じられないのです。
仮に寅吉が見聞きしたことが真実だったとしても、
子供が話したことをさらに噛み砕いて書き写した上に、
さらにそれを現代語訳したものを読んでいるわけで、
ノイズが多くなりすぎているのかもしれません。

しかし、真偽を問わなければ内容は結構面白いです。
平田篤胤が様々な質問を出し、寅吉がそれに答えるさまは、
一種の超ショートストーリー小説です。
現代語訳されていてもなお読むのに止まってしまう箇所はありますが、
それでもなおポテトチップスを食べるようにサクサクとページをめくることができます。
信じることはできませんが、不思議と吸い込まれる。
これはやはり奇書と呼ぶべきなのでしょうか。

結局自分は一日で最後まで読み切ってしまいました。
人に勧められるかと聞かれればまあ勧められませんが、
暇をつぶす書物としては良いものだと思いました。

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