2013年12月8日日曜日

銀行のシステムは負債まみれで信用できない

SIer系の仕事でも特に(技術力がある人ほど)嫌われる仕事に、
銀行系ってものがあります。

誰も理解していない仕様、
ゴミ屋敷を見事に再現した設計、
変更履歴で半分が埋まっているソースコード、
手作業とエビデンスを要求する膨大なテスト、
朝令暮改の指示に労働基準法を無視する風調、
などなど、
数え上げればキリがありません。

そんなことが、
誰もが聞いたことのありそうな大きな銀行で起こっているのです。


プログラマーはこのような状態を、
"技術的負債が返済不能に陥った"などと表現することがあります。

もうどんな簡単な修正でもリスクがつきまとい、
システムを一新しようにもどこから手をつければいいかも分からない。

お金と時間だけは浪費され、
肥えるのは一次請けのSIerくらいのもの。

そんなことが、
問題が起こって訴訟されるまで続きます。

SIerから見れば、
訴訟されないギリギリのラインまで品質を下げる行為によって利益が最大化されるわけです。

無自覚な悪徳商法なんですねぇ…


お金を貸すプロフェッショナルの銀行が、
技術的負債を返済不能な状態になっている…なんという皮肉でしょうか。

銀行の幹部の皆さんは、
自分たちのシステムがゴミでデコレーションされたジャングルジムだとは夢にも思っていません。

ちなみにこれからシステムを買おうとしている銀行も問題なんです。

SIerが提案するソリューションというのは、
過去に別の銀行へ納品したシステムが基となっていることが多いからです。

それは既に技術的負債をたんまりと抱えこんでいて、
銀行は負債を背負うことに対してお金を払うという謎の取引が成立します。

でも買うしかないのです。

銀行の担当者の選択肢に正解が無いのですから。

どれを買っても借金まみれ。

ならばどれを買っても大差ありません。

だから値段の一番安いところが勝つわけです。

銀行のシステムが障害を引き起こして事件となることがありますが、
言ってしまえば運が悪かったに過ぎません。

他の銀行も大なり小なりひどいもので、
何かきっかけさえあれば負債が大爆発することに変わりないのですから。

おっと銀行に限らない話題ではあるのですけど、
その筆頭ってことで。


…ではどうやって解決するか?

この手の話は結局SIerもお客も双方が悪くて、
問題も様々な箇所が絡み合っています。

いわゆる複雑なデッドロック状態なのが曲者です。

どこか一箇所を改善しても効果が無くて、
かなり大きなブロックをまとめて交換するような作業になるはずです。

こんな大規模な改革は大規模な反感を生み、
大多数の反対派によって抑えこまれます。

かなり勝手な推測ですが、
日本人は増分の成長はできても飛び石の成長は自力ではできないようなのです。

そしてこれは飛び石の成長に属するもので、
やろうとした人達は次の石へ飛び移る前に撃墜されています。

そこに救いの手はありません。


せめてお互いに改善する意欲があれば良いのですけど…


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